2015年11月2日〜4日までラスベガスのベラージオで開催されたEVENTtech2015の3日目のセッションの模様を報告します。
モバイルとデータでイベントを効果的に
最終日は、セッションの間に「SPEED BRIEFING ROUND」という20分のプレゼンが行われました。20分でどのような話が聞けるのか興味津々ではありましたが、かなり中身の濃いものであっという間に時間が終わってしまいました。その中で、QuickMobile社のDirector of Product and Channel MarketingであるJeff Epstein氏の"Engage Me! Using Mobile And Its Data To Improve Events"を紹介します。
セッションは「Word of the Day」ということで、"beget"(何かを引き起こす、作り出す、生じさせる)というワードについての説明からスタート。例文に書いてあるように、「iPhoneがアプリを生み出し、アプリがエンゲージメントを生み出し、エンゲージメントがデータを生み出し、データがインサイトを生み出し、インサイトがよりよいイベントを生み出していく・・・・」という流れの説明からモバイルとデータについて説明がありました。
モバイルでエンゲージしていく方法として、1. コンテンツ(ビデオ、ドキュメント、クイズやアンケートなど)、2. ライブ・インタラクション(セッション中のQ&A、その場での投票、ディスカッションなど)、3. ゲーミフィケーションの3つが上げられました。3つ目のゲーミフィケーションについては、ゲームプランのゴールを設定し、具体的に結果数値を取得していくことを事前に計画していくことが重要です。
また、データについてはイベントアプリを利用して、イベント前、イベント中に数値を取得していき、結果を把握しながらイベントをチューニングしていくことでさらに良い結果を出していきながら、イベント後も結果を分析することにより、次のイベントへ活かしていくことが必要です。海外ではイベントアプリを利用するのが一般的になっているようで、専門のアプリも無料/有料で提供されています。データを取得して分析し、次のイベントへ活用する流れになっていますが、今後日本のイベントでもアプリを活用していくようになるといいですね。
1枚の写真にもこだわりを
イベントやインフルエンサー・マーケティングを企画・運営しているCaravantsのCEOであるCara Kleinhaut氏のプレゼンテーションでは、インフルエンサーが写真を撮影する機会を提供するためのイベントの環境づくりにこだわった話が中心でした。ソーシャルメディア上でインフルエンサーがいかに写真を撮影し、共有していくのかという点にフォーカスした戦略を立て、イベントのクリエイティブを制作しているという話は、日本ではあまり見かけない手法かもしれません。ソーシャルメディアでイベントの写真の共有をさせることで効果をあげることができるため、こういった環境づくりをメインに考える視点も取り入れていきたいですね。
Caravents CEOのCara Kleinhaut氏。
インフルエンサーが自ら写真を撮影したいという環境を作ることが大切。
もちろん、このような環境作りだけで満足するのではなく、分析ツールを用いながら結果を数値で把握することでイベントの効果測定をしていくことが重要です。どうすれば人が自然に動いてくれるのか、という点を考えていくことで自ずと結果を出すことが可能になるのではないのでしょうか。
イベント3日目も終日びっしりとセッションがありました。(セッションプログラムはこちらから)
残念ながら今年は日本のマーケターの参加はほとんどなかったようですが、イベントで結果を出すためにどうしていけばいいのか、どのようなテクノロジー/仕掛けが効果あるのか、などたくさんのヒントをこのイベントで得ることができました。来年は日本のマーケターもこのEVENTtechに少しでも参加をして、日本でもより良いイベントを実施できるようになるといいですね。
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