10月21日、Daikanyama The Room1で開催されたType& 2016をレポートします。
Type&(タイプアンド)は,Monotypeが日本で主催する書体のセミナーやワークショップを行うイベントです。2016年10月21日に、2つのテーマ、"ここが知りたい、フォントのカスタマイズの実際"、"ゲーム屋さんと文字 バンダイナムコスタジオ × Monotype"で開催されました。
テーマ1:ここが知りたい、フォントのカスタマイズの実際 小林 章氏
満席となった会場の中、今回の話は、制作期間が短く、クライアントのイメージに沿ったフォントの制作が可能な " Customised/Modified " であることを伝えた上で、3つの事例紹介をスタート。本レポートでは、3つの事例の特徴をまとめ、 Customised/Modified を通じて、フォントの魅力を伝えていきたいと思います。
【参考:フォントビジネスの種類】
(1)Serial Font:ライブラリの既存フォント
(2)Customised/Modified:既存フォントのカスタマイズや改変
(3)New:理想的なアイデンティティ
最初の事例を解説する小林氏
視認性を保持し、特徴を持たせよ
最初の事例で紹介されたのは、ドイツのスーパーマーケットチェーン『PENNY』。
スーパーマーケットが持つ、優しい・フレンドリー・
現地の人の違和感をなくせ
次の事例で紹介されたのは、スイス最大の銀行である『UBS銀行』。
フォントを格好良くして欲しいといった抽象的な依頼ではなく、アートディレクターからの注文に対して、各文字の改変を実施。Walbaumという既存のフォントをUBS用(UBS Headline)に改変し、銀行が持つ、高級感・伝統を表現。ギリシャ文字、ロシア文字、ラテン文字など、様々な国や現地が持っているネットワークを活用可能なMonotypeならではの強みを発揮しました。
UIを意識せよ
最後の事例で紹介されたのは、ドイツの高級時計メーカー『A. Lange & Söhne』。
ユーザーが本から製品情報や文化を感じることを意識し、フォントから静かで、落ち着いたイメージを与えるため、Versaillesという既存のフォントを(for ALS)に改変。『L』や『G』の小文字のアセンダー、ディセンダーを少し伸ばすことでエレガントさを表現しました。
3つの事例を通じて、やはりユーザー(最終的にフォントに触れる人)にとって、視認性が高いことが一番であることを強く感じました。どんなにフォントがその文化を強く表現していても、ユーザーに届かない(認識できない)ものでは意味がない。しかし、私たちは、フォントの良し悪しでモノやサービスを購入・体験するといったことはないため、可能な限り無駄を省き、ユーザがフォントから文化を無意識に、自然に感じとれる状態が必要であり、これはすべてのサービスに通じるものであると思いました。
Type& 2016 開催概要
名 称 Type& 2016
会 期 2016年10月21日(金)、10月22日(土) (一般公開)
会 場 Daikanyama The Room1
主 催 Monotype株式会社
公式サイト http://www.typeand.net/2016/
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