IoT/ハードウェアビジネスの体験展示・カンファレンスイベント、「IoT&H/W BIZ DAY 5 by ASCII STARTUP」が2018年3月22日(木)に、赤坂インターシティコンファレンスにて開催されました。
基調講演「Connected Industriesの実現に向けたスタートアップ政策について」
経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 課長補佐(統括)の河野 孝史氏が、日本が推し進める国家としてのIoT関連施策について、講演を行いました。
「日本は、AIやIoTなどをいち早く社会実装できる環境にあるなか、データを集めているユーザーは多いが、それをうまく組み上げ、新しいものを作るには至ってない」とデータの利活用に関しては、諸外国に比べて遅れをとっているという認識を示しました。
そのような状況を打開すべく、補正予算において、系列を超えたデータの連携を推進する産業データ活用促進事業として18億円、大手企業とベンチャーとのAIシステム共同開発支援事業で24億円を用意。
ベンチャー施策に関しては、36億円超の「グローバルベンチャー・エコシステム加速化事業費」を計画しおり、「Startup Japan」(仮称)としてグローバル企業に勝てる日本のベンチャーに集中投資し、量産化やブランディング支援に向けてチャレンジできる場所を作っていくとのことで、ベンチャー施策についての方向性と具体的な策を披露しました。
「海外イベントから見える2018年先端トレンド&日本発の海外挑戦動向」
CESやSXSWで見えた新たな動きはいったい何か。実際に海外イベントへ出展・挑戦した日本企業の生の声や、世界への売り込み方、挑戦方法も交えたセッションが行われました。
CESの視察を行った松崎 良太氏(きびだんご)は、「睡眠をテクノロジーする、Sleep Techが新しいトレンドだと感じた。リラックスできる、集中できるということはもちろん、20分で2時間分の睡眠効果が得られるテクノロジーなども登場していた。」と紹介しました。
脳波と骨伝導を分析するスピーカーや、心拍数をコントロールデバイスなどが展示されていたそうです。
続いては、北島幹雄氏(ASCII)がSXSWについての情報を共有しました。
「ハードウェアやIoT関連の展示やセッションは少なくなり、ブロックチェーン関連が増えた印象。文化系、エンターテイメント系のコンテンツも増え客の層が広がってきている。ICON社の3Dプリンタでできた家はインパクトがあった。」と述べました。
MWCの併設イベント4YFNに出展をした萩原 智啓氏(アクアビットスパイラルズ)は、「政府の支援を受けてパビリオンつくり、出展することが多いが、今回は支援なしで有志であつまり出展を行った。アウェー感もあり寂しさも感じた。」と、政府との連携の大切さを訴えました。
美谷 広海氏(FutuRocket)は、スタートアップと大手企業のコラボレーションイベント「VIVA TECHNOLOGY」を紹介。「大企業が持ってるスペースに、各企業に選ばれた50社が展示する方式なので、自然と産業別にスペースが分かれる。大企業とのコラボレーション感が強く、未来が想像しやすいイベント。」とレポートしました。
1年間で6000社と話し1000の出会いを創出してきたeiiconが語る共創ノウハウ
このセッションでは、中村 亜由子氏(eiicon founder)が、オープンイノベーションをスムーズに進められている企業、成果を出せている企業とそうでない企業の違いや、 スタートアップがオープンイノベーションをうまく利用するためのコツなど、オープンイノベーションの共創ノウハウを語りました。
企業に対しては、
・アクセラレータープログラムを実施するときは目的やテーマを具体的にすることが大切
・通常の決裁フローとは、別のフローを作ることが大切
・大企業になればなるほど、歴史もあり、守りに入りがちでスピード感が遅くなる
・スピードが大切なスタートアップの足を引っ張ることにもなりかねない
スタートアップに対しては、
・どのような些細な決め事でも、書面に残すことが大切
・規模やブランドに踊らされ、目先の事業提携にとらわれないように注意することが必要
・目先ではなく本質的なビッグインパクトを生む共創マインドをもつことが大切
など、リアルで具体的なアドバイスに聴衆者は、頷きながら熱心に耳を傾けていました。
ASCII Connected Industries Award決勝
本イベントの最後を締めくくるのは、ブース展示している企業の中から、書類選考で選ばれたスタートアップが競い合い、優秀な企業を決める公開ピッチイベント。 将来の「Society 5.0」が目指す超スマート社会を実現する企業に対して、賞が授与されるピッチイベントで、白熱した戦いが繰り広げられました。
見事、大賞を受賞したのは、人工脳「SOINN」を開発するSOINN株式会社。
代表取締役 CEOの長谷川修氏は「大学の准教授と二足の草鞋を履いてきましたが、この度、大学を辞めることにしました。SOINNに専念し、アクセル全開で人々の役に立つものを作っていきます。」と受賞の喜びと決意を語りました。
常時満員の展示エリア
様々なハードウェアやIoTプロダクトが展示、紹介され、常時賑わっていて、関心の高さと製品クオリティの高さが伺える展示エリアでした。
「IoT&H/W BIZ DAY 5 by ASCII STARTUP」は、IoTの最新トレンドを理解し、ソリューションを体験できるだけでなく、政府やオープンイノベーションをサポートする企業の動きもインプットすることができ、盛りだくさんで充実した内容のイベントでした。
次回IoT&H/W BIZ DAYが開催される頃には、どんな進化が見られるのか、目が離せません。
『IoT&H/W BIZ DAY 5 by ASCII STARTUP』開催概要
■日時:2018年3月22日(木) 開場 11時30分 終了予定 18時(予定)
■場所:赤坂インターシティコンファレンス
■入場料:展示ブース(無料)、全カンファレンス&展示ブースフリーパス【EventRegist限定】(3000円)
■主催:ASCII STARTUP
■共催:富士通株式会社、eiicon
■協賛・協力:フォームラン、ペライチ、リコー、No Maps実行委員会、PR TIMES
■出展:富士通、eiicon、リコー、PR TIMES、IT工房Z、アメグミ、Ambi Labs.、AnchorZ、144Lab、エイコム、エイブリッジ、O:、オープンロジ、Origin Wireless Japan 、キッズプレート、QDレーザ、glafit、Gatebox、ジーエルシー、16Lab、SOINN、ソフトフロントジャパン/エコノミカル、泰興物産、ドリコス、バタフライボード、歯っぴー、パリティ・イノベーションズ、ピクスー、ヒナタデザイン、Mintomo、Momo、リコノミカル、リトルソフトウェア、リンクジャパン ほか
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