日本最大級のIoTカンファレンス『SORACOM Discovery 2021 ONLINE』が、2021年6月22日~24日の3日間に渡り、オンライン形式で開催されました。
当オンラインイベントのプラットフォームとして「EventRegist-enavle(エネイブル)」を導入いただきましたので、企画・運営を担当された株式会社ソラコムのマーケティングマネージャー柳沼氏にお話を伺いました。
--- SORACOM Discovery 2021 ONLINE開催の目的を教えてください。
当社 株式会社ソラコムは、IoT向けの通信サービスを始めとして、IoTを導入して活用するために必要な様々なサービスを提供している会社です。
SORACOM Discoveryは、日本最大級のIoTをテーマにしたカンファレンスで、2016年の初回開催から年々規模を拡大しており、デジタルトランスフォーメーションがもたらす未来や、IoTの最新トレンド、またIoTプラットフォームSORACOMの最新サービスをご紹介するイベントです。
今までは、リアルイベントとしてオフラインで開催してきましたが、コロナの状況によって、昨年からオンライン開催に切り替えています。今年は初の3日間開催で、延べ5,200名のお客様にご視聴いただきました。
イベントの目玉は、多くのIoT先駆者のユーザー企業や、パートナー企業の皆様にご登壇いただく、IoT活用事例をご紹介するセッションです。今年は3日間で30社以上のゲストをお迎えし、参加者の9割の方に「満足」というご回答をいただきました。
また、参加者の8割が、IoTの最新動向を知るために参加されています。イベント参加から、IoTの導入による業務改善や新規事業開発のヒントを得て、SORACOMのサービスを使いたいと思っていただくことが、開催の第一の目的ではありますが、IoTによって社会が変わる、よくなっていく、という可能性を感じていただくことも、重要な目的です。
--- EventRegist-enavle導入にいたった理由を教えて下さい。
年に1回のメインとなるカンファレンスですので、オンライン開催であっても“カンファレンス感”を出したいと思っていました。
IoTに関するさまざまなソリューションや事例を幅広く紹介するためには、ソラコムだけではなく、パートナー企業のもつサービスやソリューションのご紹介も、大きなコンテンツとなります。
例年は、協賛のパートナー企業様に、ブース出展やセッション登壇をしていただいていましたが、昨年は急遽オンライン開催に切り替えたこともあり、スポンサー様に対してどのようなメリットが打ち出せるのか十分に検討できないまま、協賛募集を取りやめたという経緯があります。また、配信プラットフォームを探す時間も十分ではなく、シンプルな方法で配信することになりました。
今年もオンライン開催にすると決めた時に、昨年実現できなかった課題、
1.セッションごとの視聴者データを正確に把握
2.ソラコムの案内を表示するコンテンツを併設、クリッカブルなリンクで表示
3.配信中に視聴されている参加者様のツイート表示
4.アンケートへの回答
を解決できるプラットフォームを探していくなかで、enavleを知りました。
採用のポイントは、大きく3つです。
1つ目は、スポンサー様のロゴ掲示や、ページが設定できることです。これによって“カンファレンス感”を出すことができました。また、各セッションごとの視聴者データが取れるので、スポンサー企業へのデータ提供という協賛メニューを作れる点も大きかったです。
2つ目は、BtoBのマーケティングに必須なリード獲得と、リードの温度感を測る指標の充実という視点で考えたときに、視聴ログとそれに基づく顧客データが取れることです。
たとえば、イベント後のフォロー時に、視聴セッションや視聴時間などのログデータから推測した、アカウントベースのマーケティングが可能になるところも大きなポイントでした。
3つ目は、視聴画面横のイベントガイドにさまざまなコンテンツを設置して、ひとつの画面で見せられる点です。Twitterや、質問を受け付けるツールとしてSlidoを埋め込んだり、ウェブアンケートやイベントに合わせて実施したキャンペーン、今後のイベント案内などをクリッカブルなリンクで設置できる点も魅力的でした。
【採用のポイント】
1.スポンサーロゴの表示 / スポンサーページの設定
2.リード獲得 / リードの温度感を測る指標の充実
3.視聴画面内にさまざまな情報やコンテンツの表示
【EventRegist-enavleの視聴画面イメージ】
--- 実際にEventRegist-enavleを使ってみていかがでしたか?
良かった点としては、なんといっても、ファーストビューのカンファレンスらしい豪華さです。
イベントのビジュアルに合わせたデザイン設定で、豪華さを演出できたと思っています。スポンサーロゴが流れますので、そこでも“カンファレンス感”を出せましたし、ロゴをクリックするとスポンサーの関連リンクに遷移するよう設定した点でも、リッチなコンテンツが提供できました。
また、視聴者の方が開いた最初のページに、いろいろなコンテンツの一覧があり、画面遷移せずに様々な情報を見られるところも良かったです。TwitterやSlidoなどの外部ツールを使う際にも、別画面を開くのではなく、ひとつの画面の中で見られる点が素晴らしかったと思っています。
アンケートについても、一つの視聴画面内で見られ、かつ、アンケート画面を自動的に表示させることができた点が良かったです。セッション中は、右側のイベントガイド内にアンケートボタンを置いていましたが、セッションの後半にアンケートを行いたいときに、運営側が意図したタイミングで、アンケート画面を自動的に表示させることができたので、回答率が上がったと思います。また、セッション終了直後にご回答いただくことで、より詳細な満足度がわかりましたし、お客様のコメントも取得できた点に満足しています。
ただ、今回は外部のアンケートツールを埋め込んだので、アンケートデータを別途ダウンロードして、データベースにインポートする作業が発生しました。enavle自体にアンケート機能があれば、回答を参加登録時のデータと紐づけて、誰が回答したかが一元管理でき、回答者の温度感も把握しやすいと思いますので、ぜひ改善をご検討いただければと思います。
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※2021年10月に、enavle自体のアンケート機能を実装しました。この機能をご利用いただくと、参加者データとの紐づけが可能となります。詳細はこちらよりお問い合わせください。
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設定サポートの面では、リクエストした機能を迅速に反映いただけた点が助かりました。アーカイブ公開の際に、アーカイブ公開期間だけの登録者数を確認できる機能や、タイムテーブル上から資料ダウンロードができるボタンの追加などを反映いただきました。
改善点としては、スマートフォンでの視聴についてです。
現状でも、スマートフォンでの視聴は可能ではありますが、スマホ視聴に適した仕様にはなっていないと感じています。メニューの位置などがもっと操作しやすくなると良いと思いました。当社で主催するイベントでは、「会社のPCではセキュリティの問題などで視聴できない」といったお問い合わせを時折いただきます。その際は、個人のPCをお持ちでなければスマートフォンで視聴いただくようご案内しているのですが、enavleについてはおすすめできませんでした。今後、改善していただけたらと思います。
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※2021年11月に、スマートフォン向けUIを実装しました。スマートフォンでも快適にご視聴いただけるよう改善されています。詳細はこちらよりお問い合わせください。
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--- ありがとうございます。enavleは、主催者さまからのご意見を反映してどんどんアップデートしておりますので、今回いただいたご意見も開発担当者に共有し、参考にさせていただきます。
--- 今後どのようなイベントを開催していきたいですか?
従来のオフライン開催に戻したい思いもありますが、オンラインのツールも増えてきましたし、日本全国から気軽に移動の手間もなく参加いただけるというのは、オンラインイベントの大きな魅力ですので、来年は、会場実施とオンライン併催のハイブリッド形式になるのでは、と考えています。
SORACOMのような新しいサービスは、実際にお使いいただいているユーザーからのフィードバックが非常に大事で、フィードバックを元にサービス開発を進めることも重要視しています。そのため、イベントに参加いただいている関心が高い状態で、お客様のご意見を伺うことができるという点では、やはりオフラインの方が優れていると思います。
オンラインイベントでは、お客様と直接コミュニケーションをとることや、反応を感じ取ることが難しいという面があります。参加者がセッションを視聴するだけではなく、自らコンテンツを探しに行けたり、コミュニケーションの働きかけができるような、視聴者参加型のイベントをどう作っていくか、視聴者がそのイベントに参加している感覚を、主催者側もお客様側もどちらもが感じられるような形にしていけるかが、オンラインの課題だと感じています。
また、アンケート回答だけではなく、イベント内でお客様の声をいただける機会を増やしたいので、それらの課題に応えるには、やはりハイブリッド形式を検討する必要があるのではないかと思います。
今回は、ブース対応からつながる商談の機会を補うものとして、チャットでお問い合わせいただく受け先も用意していましたが、なかなか実際にはご活用いただけませんでした。このイベントのお客様層としては慣れていらっしゃらない部分もあったのかもしれません。今後、より気軽にご活用いただくために、弊社やスポンサー様とのビデオチャットを併設したり、公演後の登壇者とのコミュニケーションに繋がるような手段を用意し、スポンサーのメニューとしても提供していけるとよいと思っています。
また、お客様によって欲しい情報が異なりますので、それぞれに適切な情報をご提供できるように工夫していきたいです。
--- あなたにとってイベントとは?
イベントはやはり、お客様の反応を直接知ることができるという点がいちばん大きく、ソラコムが提供する場を通して、人と人とをつなぐ場にもなると思っています。イベントはお客様との接点を作る手段で、オフラインでもオンラインでも提供したい価値は変わらないと思います。
ソラコムは『IoTの「つなぐ」を簡単に』をテーマにサービスを提供している会社ですので、モノとモノがつながることで生まれる価値を皆さんに紹介して行きたいですし、ソラコムが提供する場を通して人と人がつながる場にしたいと考えています。
--- ご協力ありがとうございました。
編集後記
オンラインイベントは、参加者の反応を感じ取ることが難しいと思いますが、その中でも、TwitterやアンケートツールSlidoを上手く活用し、参加者が、視聴するだけでなく、 ”参加できる” 工夫をされていた点が印象的でした。
貴重なフィードバックをたくさんいただきましたので、スポンサー様、参加者様、主催者様に寄り添った形で、フィードバック内容を反映し、より使いやすいプラットフォームを目指します。
SORACOM Discovery 2021 ONLINEのセッション動画や講演資料は、レポートサイトからご覧いただけます。
レポートサイト:https://discovery.soracom.jp/
【本イベントでの導入プラン】
■ オンラインイベントでのスポンサーシップの投資対効果を見える化する
EventRegist-enavle(エネイブル)