全国のコミュニティマーケティング実践者が集まり、人・知見・ノウハウをたくさん発信する「ど真ん中」な会として開催されたコミュニティマーケティングの祭典、「CMC_Central 2024」。本イベントは、全国各地で過去130回以上(※2024年4月時点)も開催されてきた「CMC_Meetup」の初めての全国版として、2024年6月29日(土)に愛知大学名古屋キャンパスにて開催されました。
今回の開催にあたって、過去に蓄積してきたノウハウや参加者の利便性を維持するため、これまでのCMC_Meetupと同じく「EventRegist(イベントレジスト)」を導入いただきました。コミュニティマーケティングにおけるイベントの役割とメリット、「EventRegist」の活用術について、CMC_Central 2024実行委員会の 小笹 文氏 にお話を伺いました。
--- 「CMC_Central 2024」についてお聞かせください。
「CMC_Central 2024」は、コミュニティマーケティングについて考える「CMC_Meetup」というコミュニティが、全国各地で開催しているイベントの全国版です。
コミュニティマーケティングとは、製品やサービス利用者などの顧客を対象として主宰する「コミュニティ」と双方向のコミュニケーションを通して、顧客同士の交流と情報発信を促すこと、そして製品やサービスへの顧客のロイヤルティを創出、向上させると共に「1. 顧客理解」、「2. 顧客育成」、「3. 顧客創造」を相互に連動させ、スケーラブルに実施することを目的とした活動です。
CMC_Meetupが立ち上がった2016年当時は、まだまだコミュニティマーケティングを実践している企業は珍しく、全国各地でいくつかの企業が、独自に取り組んでいる状況でした。そこで、全国各地で実践されているコミュニティマーケティングの成功事例やノウハウを共有し、担当者同士をつなげることを目的にスタートしたのが、CMC_Meetupです。2024年8月現在、CMC_Meetupは累計150回以上開催しており、今回が初めての全国版としての開催でした。
--- コミュニティマーケティングにおける「イベント」とは、どのような役割を期待されているのでしょうか。
いちばんの狙いは、コミュニティに参加する顧客の心理的安全性を確保することです。イベントに参加した顧客が、セミナーやセッションから情報を一方的に得るだけでなく、懇親会や交流の場で、顧客同士が双方向的にコミュニケーションし、他の顧客の声から「この会社の製品やサービスは安心だ」「自分たちが想像していなかった便利な使い方や良さがある」などと感じていただければ、そのイベントは成功だと思います。これは、画面越しのオンラインイベントでは、顧客同士の熱量が伝わりにくいためになかなか難しいと考えます。そのため、CMC_Meetupではリアルでの開催にこだわってきました。
コミュニティでイベントを開催するにあたって、私たちは「アウトプットファースト」という考え方を大事にしています。セミナーやセッションに参加し、「勉強になった」と満足して帰ってしまうのは、非常にもったいないことです。インプットするだけでなく、自社が抱えている課題や、課題解決のために取り組んでいることを、他社にも共有・発信いただくことで、コミュニティの価値がさらに高まり、企業と顧客の双方にとって大きなメリットになります。
--- 全国版のイベントである「CMC_Central 2024」を開催するにあたって、どのような状態をイベントの成功と定義していましたか。
全国のコミュニティマネージャーはもちろん、コミュニティマーケティングをすでに実践している企業の経営者や、コミュニティマーケティングに興味を持っているマーケティング責任者、そしてマーケティングを学んでいる学生など、すべての参加者を取りこぼすことなく、全員に満足してもらうことがひとつの目的でした。そして、イベントをきっかけに、新たにコミュニティマーケティングにチャレンジしたり、既存コミュニティの在り方を見直したり、コミュニティマーケティングについて情報を発信したりと、次のアクションに移していただくことも狙いでした。
--- 「CMC_Central 2024」を開催するにあたって、EventRegistを導入いただいた理由をお聞かせください。
もともと全国各地で開催してきたCMC_Meetupのイベントページは、すべてEventRegistで作成してきました。EventRegistには、主催者が利用できる「マイコンタクト」という機能があり、過去に自身が開催したイベントを横断して、申込履歴を確認することができます。
これによって、いままでのCMC_Meetupに参加した回数や、興味があるコンテンツを事前に把握でき、イベントの企画や当日のご案内に役立てることができるのです。「CMC_Central 2024」の開催にあたっても、過去のCMC_Meetupで培ってきた運営側のノウハウを活かすために、引き続きEventRegistを活用することを決定しました。
また、イベント申込者の目線でもさまざまなメリットがあります。過去のCMC_Meetupに参加した方は、既存のアカウントからイベント参加を申込めますし、タイムテーブル機能で、複数のセッションに簡単に参加登録することができます。「CMC_Central 2024」では5会場(5トラック)で同時並行してセッションを開講したので、もし分かりやすいタイムテーブル機能がなければ、参加者は申込みに迷ったかもしれません。
イベント主催者にとっても、事前にセッションごとの参加者数や参加者の属性を把握できるため、セッションの直前までコンテンツ内容にこだわることができます。
--- EventRegistの導入はどのように進行しましたか。
イベント開催日のおよそ3ヶ月前から、EventRegistでイベントページの作成を進めました。これまでのCMC_Meetupであれば、参加者数は100名ほどなので1ヶ月前からでも十分間に合いますが、今回は全国版で300名規模を見込んでいたので、余裕のあるスケジュールを組みました。ただ、イベントの告知を急ぎすぎると間延びしてしまい、熱量が下がってしまうため、およそ2ヶ月前に告知しています。
また、これまでの経験から、イベントの申込みが始まったタイミングで、セッションの内容がある程度固まっていないと、申込みの初速が落ちると分かっていたため、登壇者への依頼と、セッション内容・セッションのタイトル案の作成は、イベントページやタイムテーブルの作成と同時並行で進めました。
--- EventRegistのイベントページ作成で工夫した点をお聞かせください。
「CMC_Central 2024」では、イベント「本編」の他にも、「前夜祭」や「後夜祭」、名古屋を観光する「大人の遠足」といった各種アクティビティも企画していたのですが、後夜祭以外は本編とは別のイベントページとして作成しました。懇親会である後夜祭には、セッションのあとに”参加者同士に横でつながってほしい”という、まさにコミュニティマーケティングとしての狙いがあったため、できる限り多くの方に参加してもらえるようにと、イベント本編と同じイベントページから申込めるように工夫しています。
前夜祭や大人の遠足は、イベント本編のオプションとしていたため、別のイベントページとして作成し、一部のアクティビティは抽選制としました。また、申込みが殺到しないよう、イベント本編に申込んだ方だけにメールで直接ご案内する方法をとることで、申込対象を絞っています。
--- EventRegistで特に活用したプレミアム機能をお聞かせください。
「CMC_Central 2024」の開催に賛同してくださる企業と個人のサポーターに対し、プレミアム機能を活用して、イベントのチケット料金が無料になるプロモーションコードを発行しました。プロモーションコードは、もともとサポータープログラムに参加いただく際のリターンとしてお約束していたものなので、滞りなくご案内する必要がありました。
プロモーションコード発行機能がなければ、一般参加の方とスポンサーの方を別枠で管理しなければならなかったり、セッションごとにスポンサー向けの席を確保しなければならなかったりと、オペレーションが非常に煩雑になっていたと思います。この機能によって、ワンストップで申込管理を行うことができました。
--- その他にEventRegistで活用した機能があればお聞かせください。
イベント申込者の中にはチケット代金を経費精算したい方もいらしたので、領収書が簡単に発行できることは必要不可欠でした。EventRegistでは、申込者ご自身のマイチケットページから、領収書データを取得することができます。これによって、イベント当日に手動で領収書を発行する必要がなく、スムーズなオペレーションを実現できました。
また、チケットデザインも、EventRegistのデフォルトのものではなく独自のデザインにこだわりました。それによって、イベントのブランディングや、参加者の満足度向上につながったと思います。
【本イベントでご活用いただいた機能】
マイコンタクト
ご自身が作成したイベントを横断して、申込者を確認したり特定の条件での検索ができる機能です。たとえば、繰り返し開催しているセミナーに申込んでいるリピーターを検索して、リストを抽出することができます。
本イベントでは、これまでに開催されたCMC_Meetupに参加した回数や、興味があるコンテンツを事前に把握し、イベントの企画や告知に役立てました。
タイムテーブル(プレミアム機能)
複数のセッションや分科会が、同時並行で開催されるカンファレンスにおいて、セッションごとの申込管理が可能な機能です。
本イベントでは、最大5会場で同時に開講されるセッションから、事前に参加希望のセッションを選択してもらうことで、セッションごとの参加者数や参加者属性を把握するために活用しました。
プロモーションコード(プレミアム機能)
有料チケットの割引や、シークレットチケットの販売を行うことができる機能です。
本イベントでは、このイベントに賛同してくださるサポーターの方に、チケット料金が無料になるプロモーションコードを発行することで、一般の方と同じページからお申込みいただく運用が可能になりました。
領収書データの発行
有料チケットを販売するイベントで、主催者が領収書データを発行するかどうかを選択できます。また、インボイス制度に対応した内容にすることも可能です。
チケットのデザイン編集(プレミアム機能)
申込後に発行されるPDFチケットは、A4用紙に出力後4つ折りしてご利用いただくことを想定しており、どの面にどんな内容を掲載するかをカスタマイズすることができます。
本イベントでは、申込時に選択したセッションを表示したり、キービジュアルが表示されるように設定し、イベント参加者の利便性向上と、イベントのブランディングに役立てました。
--- EventRegistを活用したことで、どのような成果が得られていますか。
申込者の方から、EventRegistの操作に関する問い合わせが1件もなかったことが、いちばん嬉しかったことです。セッションの選択肢が多く、後夜祭や前夜祭などのオプションもあるので、複雑なイベントページになっているのではないかと当初は不安でしたが、杞憂に終わってほっとしています。過去のCMC_MeetupからずっとEventRegistを使っていましたので、主催者である実行委員会もイベント申込者の方も、操作に慣れていたおかげかと思います。
また、チケットは発売から1ヶ月ほどでありがたいことに売切れとなり、当日も想定通り約300名の方にご参加いただきました。会場の受付では、イベントレジスト社の方にもサポートいただいたこと、現金や領収書のやり取りが一切発生しなかったことから混乱はなく、とてもスムーズなオペレーションだったと思います。
--- 今後の展望をお聞かせください。
CMC_Centralをきっかけに、全国各地でコミュニティマーケティングの実践者が増えていけばよいですね。そのためにも、CMC_Meetupは引き続きさまざまな地域で開催していきたいと思います。
全国版であるCMC_Centralの次回開催はまだ決まっていませんが、今回の開催を通じて全国規模でコミュニティマーケティングの実践者・関心を持つ方々が集い情報を流通させる試みは、大きなうねりを引き起こしてくれると肌で感じました。
引き続きCMC_Meetupを通して、全国各地のコミュニティマーケティングへの熱量を高めていき、またいずれ何らかの形で全国規模のイベントもおこなっていければと思っています。
--- 最後にEventRegistの導入を検討している方に向けて、アドバイスをお願いします。
EventRegistには、イベントを開催するにあたって必要な機能がしっかり備わっているのはもちろんのこと、運営しているイベントレジスト社には、サービス開始当初からイベントに向き合ってきたからこそのノウハウが蓄積されています。それによってイベントレジスト社のサポートは、ただEventRegistをうまく活用する方法だけに留まらず、「どうすればよりよいイベントにできるのか」という視点から相談に乗ってくれます。ここに、EventRegistを導入する以上の、イベントレジスト社に相談する大きな価値があるのではないでしょうか。
--- ご協力ありがとうございました。
編集後記
記事ではご紹介しきれませんでしたが、イベント当日は、会場の盛り上がりだけでなくSNS上でも大きな話題になったことが、強く印象に残っています。名古屋エリアでは、イベントのハッシュタグ「#CMC_Central」が一時 X(旧Twitter)のトレンドにランクインするほどでした。イベント参加者が、インプットするだけでなく、いかにアウトプットしていくかという工夫が随所に施されており、個人的にも学びの多いイベントでした。コミュニティマーケティングに取り組む企業が増えつつある今、イベント施策でイベレジがしっかりお力添えできるよう、引き続き取り組んでまいります。