ご利用事例|EventRegist(イベントレジスト)

[ご利用事例] ビジネスエンジニアリング株式会社/BE:YOND 2025 ― BtoBマーケティングを加速させるイベントの「資産化」戦略 ―

作成者: Mikiko Takashima|25/11/19 2:01

「その翼はきっと、飛ぶためにある。~DXを再考しこれからのデジタル経営時代に備えよ~」をテーマに掲げ、製造業のIT・システム部門の成功事例や最先端の情報を共有することを目的に2025年3月に開催された大規模カンファレンス「BE:YOND 2025」。製造業を中心とした企業の業務改革・デジタル変革を支援するビジネスエンジニアリング株式会社では、2016年よりイベントプラットフォーム「EventRegist(イベントレジスト)」を導入し、本イベントを含め年間24回以上のセミナーやイベントを継続的に開催されています。
マーケティング部門の責任者を務める山下 武志氏、EventRegistを活用しながらセミナーの運営全般を担当された柏木 ひろみ氏に、イベント設計の背景とその成果、そして今後の展望についてお話を伺いました。

 

 

--- マーケティング戦略全体におけるイベント施策の目的について、どのようにお考えですか。

山下 武志氏(以下、山下氏):サービス導入を検討されている方や情報収集をしている段階の方など、BtoBマーケティングで獲得できるリードの状態は千差万別です。だからこそ、私たちのマーケティング戦略では、「誰のために何を届けるか」という視点から、お客さまのフェーズに応じて適切な情報を届けることを大切にしています。たとえばサービス導入を検討中の方には、私たちの製品を深く知っていただくイベントをご案内し、サービスの認知を拡大する目的であれば、広告や外部メディアを活用します。

 

 

こうしたマーケティング戦略において、弊社のイベント施策では、数千人単位の認知獲得が目的ではなく、オフラインの場で参加者と主催者の間の信頼関係を築くこと、そして参加者同士で業界のトレンドや課題などを共有していただくことが目的です。自分と似た立場の人が似た問題に取り組んでいると知ることで、意識を変化させることが本質的な狙いであり、だからこそ「BE:YOND 2025」ではあえてオンライン配信を行っていません。

柏木 ひろみ氏(以下、柏木氏):2016年にEventRegistを導入して以降、開催したセミナーやイベントは530件にものぼります。規模の大小やオンライン/オフラインを問わず、ほぼ毎月複数のイベントを運営してきた結果、他社と比べてもかなり多い数字だと自負しています。

 

--- イベント施策を実施するにあたって、どのような狙いからEventRegistを導入したのでしょうか。

山下氏:マーケティング戦略では、獲得したリードのデータベースをいかに構築し、いかに活用していくかという視点が重要です。そこで私たちは、イベントの申し込み情報は単なる“参加者リスト”ではなく、企業にとっての「資産」であると考えています。

こうした背景から、MAツールを導入した2016年の同時期に、イベントプラットフォームも導入を決定しています。イベントプラットフォームには、イベントの申し込み情報を自動で収集できる機能に加え、MAツールとリード情報を連携できることを求めていました。当時から、弊社のマーケティング戦略においてイベント施策は重要であり、大小さまざまな規模のイベントを毎月2回、年間24回開催する計画だったため、手作業によるデータ収集には限界があると判断したのです。

当時リリースされていたサービスをいくつか比較検討した結果、イベント参加者のリードを効率よく獲得でき、そしてMAツールと連携することで確実にビジネスリターンにつなげられる国内のサービスは、EventRegist以外にほぼ存在しなかったことが決め手となり、導入を決定しています。

 

山下氏:ただ、私が唯一気になっていたのが、EventRegistではイベントの参加申し込みにアカウント登録が必要となる点です。申し込みに時間がかかってしまうと、イベントの参加希望者がイベントページから離脱してしまうのではないかと懸念したのですが、実際に並行運用してデータを比較したところ、離脱率に大きな差はなく杞憂でした。むしろこの検証を通じて、「イベント集客の成果はアカウント登録の有無によって左右されるのではなく、企画内容によって大きく左右される」と社内に共有することができ、イベント設計に対する社内の意識が大きく変わりました。

 

--- 2016年の導入以降、EventRegistからの乗り換えは検討されましたか。

山下氏:特にしていません。弊社にとって、イベントの申し込み情報以外に、イベント運営のノウハウも大事な「資産」です。EventRegistの活用とともに積み重ねてきた運営ノウハウが社内に根付き、今では最適化された運用フローが確立しています。特段の不満もなく、わざわざリプレイスするだけの合理性は見いだせず、むしろツールの変更によるイベント運営のオペレーションが崩れてしまうリスクが大きいと考えています。

柏木氏:EventRegistに触れたことがない新しいメンバーでも、半日ほどイベント関連の業務を一緒にこなせば、一通りのイベントページの設定ができるようになります。EventRegistの操作フローも定型化しており、社内には「この画面で情報を入力し、公開URLを作ってWebサイトに貼り付け、メールで案内すれば完了」という一連のプロセスがあります。

こうした積み重ねと仕組みのおかげで、イベント開催までのスピードが格段に上がっています。たとえイベントのコンテンツ自体が複雑になったとしても、イベント運営の基盤さえ整っていれば不安はありません。

 

 

--- 今回開催された「BE:YOND 2025」について、企画の背景をお聞かせください。

山下氏:弊社が日々製造業のお客さまとご一緒する中で感じていたのが、IT分野の情報システム部門の方々は、社内で孤軍奮闘されているケースが多いこと、そして業界を横断するような情報交換の機会が少なかったことです。その一方、メディアで取り上げられるITの話題は、AIのような最新トレンドに偏りがちで、業務を土台から支えるシステムや基盤を、地道に運用・保守している方々にとっての実践的な情報は、なかなか表に出てきません。

そこで、私たちが専門としているERP領域(財務・人事・販売・生産など、企業の中核業務を統合管理する分野)を中心に、今まさに現場で起きていることや課題、そして最新知見を共有し合える場所をご提供したいとの思いから、「BE:YOND」という大型イベントを2018年に立ち上げました。

柏木氏:今回開催された「BE:YOND 2025」では、過去最大となる36の展示エリアを設置し、19のキーノートやセッションを実施しました。集客は、主に自社で保有する製造業・SIerなどの企業をまとめたハウスリストに絞ってご案内しています。その他にも、4〜5媒体の外部メディアに広告を出稿し、限られた予算の中で結果的に1,000名以上の参加登録を得ることができました。

 

---  「BE:YOND 2025」のイベントページは、いつ頃から準備されたのでしょうか。

柏木氏:2025年3月の開催から逆算して、およそ2ヶ月前に着手しました。会場の手配や開催時期はもっと早い段階で決定していますが、講演者や出展内容などの詳細が確定していない段階でイベントページを公開しても、参加を検討していただくことが難しくなります。そのため、イベントの内容がおおよそ整った2ヶ月前の2025年1月に、イベントページを公開しました。

 

 

山下氏:「BE:YOND 2025」は複数のプログラムが同時開催されるマルチトラックのイベントですので、まずセッション数やタイムテーブルを決定し、その内容をEventRegistのイベント管理画面に入力します。入力作業自体は1〜2時間程度の短時間で、イベントページをほぼ完成させることができます。実際に、今回のイベントページ作成の担当者には「前回と同様に作成するように」と依頼した程度で、打ち合わせも最小限に進行できました。

 

---  EventRegistの活用では、どのような工夫をされましたか。

柏木氏:今回は展示ブースのリード取得方法に改良を加えました。EventRegistのチェックインポイント機能を活用し、展示ブースに来場した参加者のQRコードをスポンサー企業の方々が読み取ることで、各ブース訪問者のリード情報を収集できるという仕組みです。

この仕組みを円滑に運用するため、事前に設定を完了させたQRコード読み取り端末を準備し、その他に必要な備品をまとめて各展示ブースに配布しました。また、ブースの受付担当者に対してQRコードの読み取り方法や参加者への案内フローを説明し、オペレーションの混乱を防ぐ万全の体制を整えています。

山下氏:これは、協賛企業にさまざまなメリットを提供できるよう、イベント後にご提供するリストに、各企業ブースやセッションへの訪問・参加履歴を加える施策です。今回は利用しませんでしたが、過去のBE:YONDでは協賛企業からの要望を受け、獲得したい業種、業界の来場者に対してプロモーションコードを発行し、展示ブースに訪れるインセンティブを設計したこともあります。

また、EventRegistは参加者情報の取り扱いにおいても安心感があります。たとえば、イベントの申し込みと同時にチケットが発行されると、ビジネス観点で参加が望ましくない方が含まれる可能性もあります。そこで、EventRegistの抽選機能を活用した事前審査を導入し、運営側の審査を経たうえで、参加資格があると判断された申込者に対してのみチケットが発行される運用を実現しました。これによって、スポンサー企業が求めるターゲット層の来場を保障し、イベントの価値を最大化させることができました。

 

 

【本イベントでご活用いただいた機能】

MA(マーケティングオートメーション)・CRMツール連携
外部サービスのMAツールとEventRegistのアカウントを連携させることで、EventRegistで受け付けた参加者情報が、MAツールへ自動的にフィードされます。
ビジネスエンジニアリング社主催の各種セミナーと「BE:YOND 2025」 では、HubSpotとEventRegistのアカウントを連携し、イベントへの申し込みが入るたびに、参加者のメールアドレスがHubSpotに取り込まれます。具体的には、HubSpot内にそのメールアドレスが存在しない場合は新しい顧客情報としてデータが作成され、既に存在する場合はデータが更新されます。これにより、リアルタイムでシームレスなマーケティング活動と、リード情報の一元管理を実現しました。

抽選申込(事前審査)
イベント応募者の当選・落選・キャンセル待ちを指定し、当選者のみにチケットを発行する「抽選」として使えるほか、競合にあたる申込者などを除外する「事前審査」としても活用できます。
「BE:YOND 2025」では、この事前審査機能を使って、イベントに参加いただきたい方に優先してチケットを発行する運用を実現しました。参加希望者全員ではなく、スポンサー企業が求めるターゲット層の来場を確実なものにすることで、イベントの価値を高め、その期待に応える質の高いコミュニティ形成に貢献しました。

タイムテーブル
複数のセッションや分科会が同時並行で開催されるカンファレンスにおいて、セッションごとの申込管理を可能にする機能です。各セッションに定員を設定し、申込数を管理したり、席が埋まった際に「満席」と表示することができます。
「BE:YOND 2025」では、6会場で開講されるセッションの中から、申し込み時に参加希望のものを選択していただくことで、各セッションの参加者数や参加者属性を事前に把握するために、本機能を活用しました。

チェックインポイント
総合受付以外に設けた「チェックインポイント」でQRコードスキャンを行うことで、各ブースやエリアなど複数箇所への訪問履歴を記録できる機能です。また、タイムテーブル機能と併用し、セッションごとのチェックインポイントを設定することも可能です。これにより、各セッションへの事前登録の有無を、QRコードスキャンで判別することが可能になります。
「BE:YOND 2025」ではこの機能を活用し、各セッションにおいて事前登録のある方を優先して入場をご案内し、残席がある場合に事前登録のない方にもご参加いただくという運用を実現しました。また、スポンサーブースへの訪問履歴を記録し、イベント後にブース来訪者リストを提供することで、協賛メリットの最大化に貢献しました。

セッションへの参加履歴や、スポンサーブース、展示エリアなどへの訪問履歴のデータは、イベントマーケティングにおける貴重な資産となります。最適な運用方法はイベントごとに異なりますので、主催者のみなさまの「実現したいこと」に合わせたご提案をいたします。
詳細については、末尾のお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

 

 

---  EventRegistの導入で、どのような成果が得られていますか。

山下氏:最も大きな成果は、イベント開催に向けた準備のハードルが劇的に下がったことです。極端な例ですが、「明日、イベントページを公開して」といった急な依頼があっても実行可能なほど、標準化されたオペレーションを確立できています。

EventRegistを導入する以前のイベント運営では、申し込みの受付やリード管理をすべてExcelで行っていたため、準備に時間も工数もかかっていましたが、今では、開催直前の1週間前に集客を開始した場合でも問題なく運営できています。これは、長年にわたってEventRegistを使い続け、イベント運営のノウハウという「資産」を蓄積できたからこその成果です。

加えて、私たちはイベントを単体の施策とは捉えておらず、マーケティング全体のリードジェネレーション・サイクルの中にあるツールとして位置付けています。リアルイベントをデジタル施策の中に自然に組み込めるようになったことも、EventRegist導入による成果だと考えています。

 

 

柏木氏:イベント参加者の目線でもメリットがあります。一度EventRegistにアカウント情報を登録すれば、2回目以降は、イベントの申込画面に登録情報があらかじめ表示されるため、入力箇所が少なくスムーズに申し込むことができます。また主催者目線では、これまでのデータが蓄積されているため、次回以降のイベントのご案内や、資料請求の問い合わせにも即座に対応できます。

 

---  協賛企業には、どのようなメリットを提供できていますか。

山下氏:弊社では、単にイベント申し込みのリードだけでなく、実際の来場有無まで含めた詳細なレポートとリードリストを、協賛企業にお渡ししています。EventRegistを導入したことで、データの提供も以前より早くなりました。他のビジネスイベントと比較しても、私たちは業種や企業規模などの属性情報も付加し、さらに誤字・脱字や入力ミスを修正したデータクレンジング後の状態でお渡ししており、リードリストのクオリティを担保していると自負しています。

こうした努力が信頼の基盤となっており、「BE:YOND」では「ぜひまた協賛したい」と言ってくださる企業が大変多く、20数社のスポンサー枠は毎回ほぼ固定メンバーで埋まってしまうほどです。

 

---  「BE:YOND 2025」におけるEventRegistの評価をお聞かせください。

山下氏:EventRegistは、単なる申込受付ツールではなく、私たちのイベント設計そのものを反映し、支えてくれる存在です。もしこれをいま他社のツールに置き換えると、表面上はなんとかできるように見えても、細かい運用や企画意図に合わない部分が必ず出てくるでしょう。私たちの作業工数を最小化しつつ、想定外の要望にも応えてくださる対応力こそが、私たちがこれまでEventRegistを信頼し続けてきた理由です。

 

---  今後のイベント運営の展望をお聞かせください。

山下氏:コロナ禍を経てオンラインイベントが定着した一方で、フィジカルな場が持つ価値もあらためて見直されているように感じています。デジタルとフィジカルのハイブリッドな設計は、これからのイベントの主流となるでしょう。そのための安定した運営基盤として、EventRegistの活用は引き続き重要な要素として位置づけています。

次回の「BE:YOND」もすでに企画フェーズに入りつつあります。社内から規模拡大の要望も出ており、大規模運営が可能な会場に変更予定ですが、量よりも質を重視したイベント設計は今後も変える予定はありません。引き続きEventRegistの機能をフル活用していきたいと考えています。

 

---  最後にイベント運営に取り組む方々に向けてアドバイスをお願いします。

山下氏:繰り返しとなりますが、コロナ禍後、ウェビナー中心のイベント施策に偏っている方も多いと思います。だからこそ今、フィジカルなイベントの価値を再考するタイミングだと考えています。
単に「実施して終わり」とするのではなく、イベントで得たリストやノウハウを「資産」としていかに活かすかという視点を持つことで、マーケティング全体の設計も進化していきます。流行や手段に縛られるのではなく、目的に応じてデジタルとフィジカルを使い分けることが重要です。その実現のためにも、信頼できるツールとパートナーを選ぶことが鍵になるはずです。

 

--- ご協力ありがとうございました。

編集後記

特に印象的だったのは、協賛企業向けのリード提供に対する徹底したクオリティ管理をはじめとする、その丁寧なイベント設計と運用です。時に新しくリリースされた機能を取り入れながら、年々運用方法をブラッシュアップしつつ、長くご利用を継続いただいていることに心より感謝申し上げます。社内外のステークホルダーに配慮したイベント設計からは、私たちも多くの学びがありました。

また、2016年にEventRegistを導入いただき、イベント開催を重ねられる中で、マーケティング戦略におけるイベント施策の立ち位置が、リード獲得を超えた「顧客との信頼の構築」や「業界の知見共有」といった、より本質的な価値の創出へと進化されていると感じています。その進化は、私たち自身が「イベントの本質的な役割とは何か」を改めて問い直す、貴重な機会となりました。

これからも、変化し続けるイベントマーケティングにおいて、イベント運営の最前線にいらっしゃる皆さまの声に耳を傾けながら、伴走するパートナーであり続けたいと思います。

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※本記事の一部または全部を引用・転載される際は、以下の形式で出典元の明記をお願いいたします。

出典:イベントレジスト株式会社
[ご利用事例] ビジネスエンジニアリング株式会社/BE:YOND 2025 ― BtoBマーケティングを加速させるイベントの「資産化」戦略 ―
https://info.eventregist.com/weblog/b-en-g_beyond2025