世界のあらゆるところで開催されている展示会。新しいビジネス機会を生み出す手法の1つとして、日本でも毎週のように開催されています。さて、この展示会ですが、歴史を遡ってみるとその目的がとてもよくわかります。そもそもどうして展示会が開かれているのか、展示会の役割は何なのか?今回は展示会の意味について考えるためにも、今回は展示会の歴史を見てみたいと思います。
古代エジプトのバザール(市場)に起源をもち、中世ヨーロッパでは、トレードにより、商人が固定の場所に集まり情報交換や物々交換が行われていました。
それが産業革命以降、大量消費社会に移り、直販方式だけではビジネスの拡大に限界が感じられるようになります。そこで、展示会や見本市を通じて、人が集まる場を期間限定で設けることによって、ビジネスのきっかけとなるようになっていきました。
明治4年(1871年)、「京都博覧会」が京都市の西本願寺で有力商人を中心に開催されました。その後、明治10年(1877年)には、政府主催の「第1回内国勧業博覧会」が国家プロジェクトして東京上野で開催されました。その後4回にわたり開催され、「第5回内国勧業博覧会」では、153日間の会期で約453万6000人の入場者数を誇るものとなり、その後の万国博覧会の礎となるものになります。
第二次世界大戦後、日本の全国で博覧会が開催され、昭和45年(1970年)には大阪で「日本万国博覧会」(大阪万博)が開催され、183日間の会期で6421万8770人を記録し、日本が世界に発信する博覧会のターニングポイントとなりました。一方、各産業分野ごとによって、展示会が開催されるようになり、昭和29年(1954年)には「全日本自動車ショウ(現東京モーターショー)」、「エレクトロニクスショー(現 CEATEC JAPAN)」が昭和37年(1962年)に開催されました。それから現在に至るまで、より専門性に特化した展示会が開催されるようになり、BtoCの博覧会からBtoBへの展示会への需要が高まってくるようになります。
BtoBの展示会は今ではより細分化され、専門性の高い展示会が増えていますが、今も昔も会期中に多くの企業との接点を持ち、商談を生み出すための場ということに変わりはないようです。
最盛期には、今よりもはるかに多くの人が展示会に訪れていました。日本の展示会の場合、来場者が様々な出展ブースを見て情報収集をする目的が多いですが、海外に目を向けると、より「商談」の色が濃く、その場で取引が決まっていくような展示会も数多くあります。展示会は、あらゆる企業が一同に介し、展示ゾーンの大小はあれどすべての出展者がその業界に関わる人と接点を持つ機会を得ることができる場ということだと思います。
普段あまり展示会には足を運ばないという方もいらっしゃるかもしれませんが、予想していない企業との出会いがあったり、新しい商品やサービスを見つけたり、既に知っている商品やサービスについて理解をさらに深めることができる機会です。ご自身の携わる業界の展示会には、是非行ってみてはいかがでしょうか。
*参照
展示会産業概論 ~ はじめて展示会に関わる人のための入門書 ~平成26年3月 経済産業省
http://www.expo70-park.jp/cause/expo/