誘導スタッフはその名の通り、お客様を誘導する役割です。イベントの規模やポジションによって異なりますが、大きく受付周りの誘導、会場内部の誘導、その他に分かれます。受付周りの誘導は、来場者の方々を適切な受付箇所へ誘導し、受付が終了した方に対して、セッション会場などの進むべき箇所をご案内する役割です。会場内部の誘導は、例えばセッション会場内で前から詰めて座っていただくよう案内をしたり、セッション中に会場に入った来場者の方に対して、空いている席をご案内したりする役割です。
これらの誘導スタッフは、来場者の方にとっていつも目に留まるところにいます。そのため、誘導スタッフ本人が、「自分はこのエリアを誘導する仕事だ」と思っていても、誘導とは直接関係ない質問を来場者の方から受けることが多くなります。例えば「お手洗いはどこですか?」「コンビニはありますか?」など、会場全体の位置関係についての質問はあたりまえに答えられる状態としておくべきでしょう。それ以外にも、セッションの開始時間と場所、撮影ができるのかどうかなどの質問、紛失物に関する質問…挙げればキリがありませんが、スタッフ自身がカバーしなくてはいけないと想定している以上の質問を受けるケースもあります。
誘導スタッフは会場内の色々な箇所にいるため、来場者の方から様々な質問を受けることが想定されます。単にその場にいらっしゃる来場者を誘導することだけが仕事ではありません。このような状況の中、来場者の方と接する役割を持つスタッフに求められる適性は、大きく2点あると思います。
イベントはその場での対応を求められることが多くなります。例えば当初は受付周辺の誘導であったのが、セッション会場周辺が混雑してきたためセッション会場に移動したり、イベント終盤で受付の混雑がなくなってきたためアンケート回収をすることになったりするなど、来場者が快適に過ごすことができるようカバー範囲が変わることはよくあります。
その時に、すぐに自分がやるべきことを把握し、対処できるフレキシビリティが求められます。
カバー範囲が広くなると、当然把握していない質問を受けたり、周りのスタッフに確認をすべきことも増えていきます。来場者の方からすぐに答えられない質問を受けた場合、その来場者の方をお待たせしながら、適切なスタッフに引き継ぎもしくは確認をしなくてはなりません。そこで必要なのは、確認の間来場者の方を不安にさせないコミュニケーションです。
理想的にはこうした対応はスタッフ個々ができると良いですが、運営上難しい場合は必ずディレクターがカバーできるように運営体制を作っておくと良いでしょう。
最後に、誘導スタッフが最も気をつけないといけないことは、イベントを安全に運営するということだと思います。混雑などにより事故がおこらないように動線を作り、来場者の方々にストレスを感じさせないようにする役割です。小規模のイベントの場合、誘導スタッフが置かないケースもありますが、誘導スタッフがいることでイベント全体をスムーズに回すことができ、来場者の満足にもつながります。
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