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[イベントレポート]スタートアップカンファレンス2015

作成者: EventRegist|15/03/11 23:56

2015年3月12日、慶應義塾大学日吉キャンパス開催された「スタートアップカンファレンス2015」。学生やスタートアップ関係者を集めて大盛況となりました。午前1つめのセッション、「スタートアップ教育『起業体験プログラム』(ガバナンスコード)」の様子をレポートします。

このセッションの登壇者

  • 日本取引所グループ CSR推進室 起業教育担当 飯田 一弘 氏
  • 千葉市経済農政局 経済部経済企画課長 村杉 浩 氏
  • 東京情報大学 総合情報学部 教授 堂下 浩 氏
  • 福岡大学 商学部 経営学科 准教授 飛田 努 氏
  • 横浜市立大学 国際総合科学群 准教授 芦澤 美智子 氏
  • 昭和女子大学 グローバルビジネス学部 准教授 保田 隆明 氏
  • 日本テクノロジーベンチャーパートナーズ 代表 村口 和孝 氏
  • レオス・キャピタルワークス 取締役 最高運用責任者 藤野 英人 氏

 

起業体験プログラムについて

今回登壇なさった方は、それぞれが「起業体験プログラム」に携わっている方々。簡単にそれぞれの方の取り組みについてご紹介します。

(写真左から)

・日本取引所グループ CSR推進室 起業教育担当 飯田 一弘 氏

中学生や高校生を対象に、模擬店ビジネスを行う株式会社を擬似的に設立・経営する体験等を通じ、自ら学び・自ら考える力などの「生きる力」を育むことを目的とする起業教育イベントを開催。

・千葉市経済農政局 経済部経済企画課長 村杉 浩 氏

今回唯一の、自治体からの登壇者の方です。キッズ・アントレプレナーシップ教育推進事業(将来の地域経済を担う人材を育成するため主に小学生を対象にアントレプレナーシップ教育をおこなう)として、子ども起業塾、中学生のための起業体験講座、ビジネス体験講座など地域に根ざしたプログラムを展開。

・東京情報大学 総合情報学部 教授 堂下 浩 氏

千葉市の取り組みに関して、大学側からの視点としてコメントをしていらっしゃいました。今年度の体験プログラムについて、雨のため営業できなかったことを投資家にどう説明するか考えることを例に取り、中学生が実践を通して融資と投資の違いを理解できたことなど、その効果について説明していらっしゃいました。

・福岡大学 商学部 経営学科 准教授 飛田 努 氏

福岡大学商学部における創業体験プログラム(学園祭の模擬店を株式会社に見立て、創業から事業活動までの一連のプロセスを体験するプログラム)について、現在の流れを説明なさった後、今後の課題として、「完成度の高さ(繰り返すことでパターン化してしまうこと)」「理論→実践よりも、実践→理論の傾向」、「プログラムによる教育効果の測定」を挙げていらっしゃいました。

・横浜市立大学 国際総合科学群 准教授 芦澤 美智子 氏

2002年、杉並区主催の中高生起業家要請プログラムを企画・実施し、2013年に横浜市立大学に着任初年度から、起業体験プログラムを実施。プログラムのポイントとして、「経営に関する、圧倒的な腹落ちの場」「心からの問い "おかしい" "わからない"」「大事なことは "本当の本気" と "本気を共有したチーム" 」の3点を挙げていらっしゃいました。

・昭和女子大学 グローバルビジネス学部 准教授 保田 隆明 氏

現在のプログラムの紹介と共に、今後の展開として、企業や他大学とのコラボをテーマに掲げていらっしゃいました。「女子大の学園祭で普通の2色ボールペンが1本500円で次々と売れたのはなぜか?」という記事もあわせてご覧ください。

・日本テクノロジーベンチャーパートナーズ 代表 村口 和孝 氏

1999年に初めての起業体験プログラムを開催。プログラム全体の創始者であり、徳島県立海部高校の起業体験プログラムは文部科学大臣賞を受賞しています。ゼロからの立ち上げポイントとして、「起業家」「資本組織と会社設立(出資者との関係)」「どの事業を立ち上げるのか」「事業組織(オペレーション)」の4つのポイントを挙げ、起業はゼロから切り拓くことができるということを強調していらっしゃいました。

* モデレーター: レオス・キャピタルワークス 取締役 最高運用責任者 藤野 英人 氏

 

プログラムの枠組みと今後の可能性

各登壇者の方のこれまでのプログラムに関する説明の後、フリーディスカッションとなりました。テーマは投資という行為について、起業体験プログラムの導入で苦労した点、実際の運営、効果の測り方など多岐に渡りました。

印象的だったのは、登壇者の方それぞれが、あくまで参加者の自主性を高めるためにプログラムの枠組みや関係者の座組みを作っている点でした。例えば芦澤氏は「自主性を高めるために少人数が良く、意識はあるが手を挙げることができない学生の活躍できる場を作ることで、偏差値だけではなく色々な能力を発揮できるようになる。」とコメントしていらっしゃいましたが、プログラムを有機的に実施していくために、各人の自主性に任せつつ、それを最大限収穫を得るプログラムとできるように改善に改善を重ねていらっしゃると感じました。

こうしたプログラムを体験した人の中には、実際に起業をしたり、新規事業立案で融資を受けられるかもしれない状況も出ているということです。実践を通して自分の強みを把握し、その上で起業も含めた選択肢を持つことができる素晴らしいこのプログラムについて、登壇者の皆さんは各組織単位ではなく横連携も積極的におこない、広げていきたいとおっしゃっていました。

 

【学生・スタートアップ関係者向け】3/12(木)スタートアップカンファレンス2015
http://eventregist.com/e/scon2015